UPSIDER Tech Blog

4年続けてきた本番運用を(ほぼ)完全にバトンタッチした話

みなさんこんにちは、UPSIDERでエンジニアをしています清水(通称シミケン)です。

僕はUPSIDERの創業期から関わらせてもらっており、Webシステムの設計・開発をメインでやってきたこともあって最初にプロダクトをローンチした2019年12月以来、ずっと本番運用にも関わってきました。

もちろん、フェーズによって関わり方は徐々に変わってきていたのですが、この度ようやく本番運用に関する業務を(ほぼ)すべて引き継ぎ、他のメンバーに運用をお任せできるようになったため、これまでのプロダクトやチームの変遷も踏まえて自分がどんなことをしてきたのかを振り返ってみたいと思います。

1年目(プロダクトローンチ最初期)

今でこそ非常に多くのお客様から法人カードをご利用いただいていますが、プロダクトローンチ当初、法人カードはまだ提供できておらず、振込処理の自動化機能の提供を行っていました。

(そのあたりの流れは以前執筆させていただいたこちらの記事に詳しく記載しています)

ユーザー様がアップロードされた請求書をデータ化して振込まで一気通貫で行うサービス(現在このサービスは終了しており、別プロダクトとしてローンチした支払い.comに引き継がれています)だったのですが、最初は共同代表の宮城や水野を含む社内メンバー総出で手動でデータの入力を行っていました。

宮城もデータ入力してました

月次バッチの運用を自動化しようとして間に合わなかった模様

こんな感じで、ユーザー様へ新しい価値を届ける機能開発に追われつつちょっとずつ運用効率を改善していったり、まだ存在していない運用上必要な機能をなんとかギリギリで実装したり、色々と泥臭く運用を繋いでいた記憶があります。

ちなみに、当時Webシステムのサーバーサイドの社員は僕一人だったこともあり、システム側の運用はほぼワンオペで回していました。

2年目(法人カードローンチ期)

ついに念願の法人カードをローンチでき、運用タスクもカードに関するものが徐々に増えていきました。

この頃には請求書のデータ化も外部に委託する体制が整っていたため、ようやく社内総出でデータ入力する作業からは解放されたのですが、それでもデータの最終チェック・登録作業は社内で実施していたためまだそのあたりのタスクが残っており、結局ユーザー数の急増&カードに関する運用タスクの増加と相まってあまり業務量としては減っていなかった(というか増えた?)ように感じます。

毎年恒例、あけおめバッチ処理もやってました。

年始に限らず、毎月初に実施するバッチ処理は僕らのサービスの価値を支える一つの要素になっており、

  • 前月の利用実績に基づいて付与されるポイントを、確定できるようになった月初のタイミングで即座に付与し、そのまま翌月の請求金額から差し引けるようにする
  • 毎月の請求額をできるだけ早くユーザーにお伝えする
  • 月が変わったことで初めて連携が可能になる情報を即座に会計システムに連携することで、月次決算の早期締めに貢献する

などの価値を実現するため、月が変わったその夜のうちに処理を実行して、朝までには必要な処理を終えておく必要があります。

完全に自動化できればよかったんですが、上記のとおり朝には処理が終了している必要があるため、不測の事態に備える意味もあって結局今にいたるまで月初処理は必ず人が張り付いて対応しています。

ちなみに、当時Webシステムのサーバーサイドの社員は僕一人だったこともあり、運用はほぼワンオペで回していました。(2年連続2回目)

3年目(運用チーム組成期)

プロダクトローンチから3年目に入って、今まで提供してきた振込処理の自動化機能を終了することが決まり、ここに割かれていた運用リソースがごっそり不要になりました。

そして時を同じくして、ついについに念願のサーバーサイドの正社員メンバーが増え、運用チームが組成されました。

これらによって本格的に本番運用をチームで回していく体制が整っていき、僕自身が運用に割くコストは大幅に減りました。ようやく運用時にバイネームでメンションされまくる時代にさよならすることができたのです。本当に一緒に運用をやっていくことを快諾してくれたメンバーには頭が上がりません。

一方で、法人カードのリリースから一年が過ぎ、本格的に認知度があがってきてユーザー数が一気に増えるようになったのもこの時期です。システムの負荷が上がることによる問題が出始めるだけでなく、それまでは想定していなかったイレギュラーな使い方をされることも増えてきたため、そうしたイレギュラーな利用方法にも対応できるような修正が必要になってきました。

ただ、ここでも運用チームを組成した恩恵があり、徐々に運用改善にコストもかけられるようになりました。上記のようなイレギュラーケースへの対応ができたり、これまではTech側に依頼をしてもらう必要のあったことがビジネスサイドだけで完結できるようになったりと、そういった意味でもチーム化の意味は非常に大きかったです。

ちなみに、毎月恒例の月初バッチだけはしばらく自分が担当していたんですが、2022年10月くらいからそれもお任せするようになりました。(年始のあけおめバッチだけは、なんとなくお願いするのが憚られて自分でやりましたが)

4年目(バトンタッチ期)

そして、ようやくほぼすべての運用をバトンタッチすることができたのはつい最近のことです。

とはいっても、もう今年に入ってからはほとんどの運用タスクをチームにお任せしていたため、残っていたのはほぼ今年リリースした仕訳機能に関するお問い合わせ対応やバグFIXくらいでした。

それもようやく先日必要な引き継ぎを終え、ごく稀に質問をもらう程度でそれ以外の運用タスクはすべてチームが巻き取ってくれています。

おそらく2024年のあけおめバッチも、ついに初めてチームメンバーにお願いする形になるのではないでしょうか。(とかいいつつ何故かまたやっているかもしれませんが)

これまでを振り返って

プロダクトローンチ当初からずっと本番運用をして酸いも甘いも味わってきた身としては、それを他の仲間に任せられるようになって、肩の荷が下りた気持ちが3割、頼もしい仲間に支えてもらえてありがたい気持ちが6割、ちょっとだけ寂しい気持ちが1割といった感じです。

自分にとってこのプロダクトは本当に子供のような存在で、誕生当初は「この対応を〜日までに終わらせないとこのプロダクトは死ぬ」みたいなこともあり、なんとかそれを乗り切るために死にものぐるいでしたが、改めて振り返ると本当に楽しく素晴らしい経験をさせてもらっているなと感じます。

今ではUPSIDERは本当に多くのユーザー様にご利用いただけるプロダクトになりました。属人的な頑張りでなんとか支えていくフェーズはとうに終わりを告げ、これからはさらに安全・安心にご利用いただけるようにより強固な仕組み・組織を構築していく必要があります。

そうした運用面も含め、本当に実現したい価値からはまだまだほど遠い状態ですので、爆速でそうした価値を提供していけるように頑張っていきたいと思います!