
カード事業部でバックエンドエンジニアをしている Mimura です。
2026年2月に仙台で開催された Go Conference mini 2026 in Sendai にUPSIDERはMasamune Sponsorとして参加してきました。本記事ではイベントの様子や印象に残ったセッションについてレポートします。
前夜祭
ANDPADさんが非公式で前夜祭を開催してくださいました。
30人ほどの参加者が集まっており、熱量の高さがうかがえました。
タイムテーブルを眺めながらどのセッションが気になるかを語り合う座談会があり、どのセッションを聴くか決めきれていなかった私にとっては大変参考になりました。
座談会の後の懇親会ではGoに限らずさまざまな技術の話題で盛り上がり、翌日のイベントへの期待が高まりました。

当日
セッション
18セッション・12LTが2トラックで開催され、「mini」とは思えない大ボリュームでした。 Go Conferenceといえば Deep Dive な話が多い印象でしたが、今回は入門的なセッションからディープなTipsまで幅広い層に向けた内容が揃っていました。 特に印象的だったのは、Deep Dive な話をされている方でも、その動機や背景に「生成AIを活用した開発に伴うコード品質への懸念」を挙げている方が多かった点です。私自身もセッションでAIとGo開発という文脈で発表していたため、学びの多いカンファレンスでした。また、Go 1.26 リリース直後ということもあり、最新機能に関する話題も豊富でした。特に go fix やメモリ管理・GCは複数のセッションで取り上げられ、参加者同士の会話でもよく話題に上がっていました。
私は「AI時代のGo開発2026 爆速開発のためのガードレール」という内容でセッションさせていただきました。資料はこちらです。
AIコーディングツールの普及により実装速度が飛躍的に向上した一方で、古い書き方の提案や既存アーキテクチャの無視など、コードベースの秩序が乱れやすくなっているという課題意識から、それに対する「ガードレール」としてのアプローチを紹介しました。具体的には、internalパッケージやdepguardによる依存制御、Fuzzing TestやMutation Testといったテスト戦略、testcontainers-goを用いた実DBでのテストなど、Goの標準機能やエコシステムを活かした手法を取り上げています。結論として、これらは新しい技術ではなく既存のベストプラクティスですが、AI時代だからこそより一層重要になっているという話をしました。
発表後には、実際にテストはどのように書いているか、パッケージ構成についての議論、Go特有のAgent RuleやSkillはどのように作っているか、PRレビューが間に合わないといった話など、幅広く声をかけていただきました。発表に対して感想や議論を持ちかけていただくことでさらなる学びにつながるのが登壇の醍醐味で、今回も発表してよかったなと感じました。
以下、私が聴講したセッションについて簡単に紹介します。
Go での並列処理 「最初の一歩」から「次の一歩」へ
goroutine、sync.WaitGroup、channelといった基本的な並行処理の仕組みを解説し、実践的なコードの書き方をパターンとして整理している発表でした。どのような処理を並行処理にすべきか、逐次処理から並行処理へどう拡張するかといった観点が初心者にもわかりやすく説明されており、復習としても非常に有益でした。
Go.1.26のruntime/metricsが便利そうな件(?)
Go 1.26で導入された runtime/metrics の解説LTです。goroutineやスレッドに関するメトリクスが新たに追加されたことを紹介されていました。
私たちのサービスではこのあたりのメトリクスをまだ活用できていなかったため、これを機に計測を始めてみようと思います。最後にタイトルの伏線を回収する構成も面白かったです。
モジュラモノリスにおける境界をGoのinternalパッケージで守る
モジュラモノリスへの移行において、コンテキスト境界をどのように守っているかを紹介するLTです。 公開APIとしてのinterface定義とinternalパッケージによるドメイン詳細の隠蔽、さらにdepguardによる依存制限の手法が紹介されていました。 モジュール化が進んだ先のDB分割や分散トランザクションについても触れられており、今後の展開もぜひ聞いてみたいと感じました。
Go パッケージのサプライチェーン攻撃を防ぐ CI を作ってみた
capslockを用いてGoパッケージのサプライチェーン攻撃を検知するCIを構築したというLTです。capslockはos.Openのような標準ライブラリの特権操作にアクセスしうるCapabilitiesを洗い出すツールで、その結果をClaude Codeに分析させて危険な操作を検知する仕組みを紹介されていました。capslockは初めて知りましたが、JSON形式での出力にも対応しておりCIへの組み込みもしやすそうなので、ぜひ活用してみたいと思います。
database/sql/driverを理解してカスタムデータベースドライバーを作る
database/sqlパッケージとdatabase/sql/driverパッケージの関係を解説し、MySQLドライバーをラップしたカスタムデータベースドライバーの実装を紹介するセッションです。
データベースドライバーを自作する機会はなかなかありませんが、両パッケージの役割分担の解説がわかりやすく勉強になりました。困ったときに見返したいセッションです。
nilとは何か 〜言語仕様と設計者の葛藤から理解する〜
Goの仕様としてのnilのメモリサイズやTyped nilについての解説から始まり、Goチームの見解やnilの実装に対する改善提案を紹介するセッションです。 歴史や仕様の解説に留まらず、実務でのnilとの向き合い方まで踏み込んで解説されていました。
Who tests the Tests ?
ミューテーションテストを活用してGoのテスト品質を向上させることを提案し、実際にミューテーションテストを行うライブラリを実装した話のセッションです。AIによるコード生成が普及するなかでテスト品質への関心が高まっているため、タイムリーな内容でした。また、-overlayオプションの活用方法が参考になりました。このオプションはあまり使ったことがなかったので、新たな知見を得られました。
PostgreSQL を使った快適な go test 環境を求めて
DBを使ったテストにおいて、データベースの用意やデータ分離をどのように行うかという観点から複数の選択肢を提示し、それぞれのトレードオフを整理しているセッションです。これからDBを用いたテストを書く方にとって、手法の比較検討の参考になる発表でした。インメモリDBとしてRamSQLが紹介されていましたが、私はSQLiteのインメモリモードを使っていたため、新しい選択肢を知ることができました。
ブース
ANDPADさんのブースではGo 1.26にまつわるクイズが出題されており、しっかり難しく勉強になりました。この手のブースでは毎回、表面上の理解しかできていないことを痛感し、勉強せねばと意欲が湧きます。

SODA さんのブースでは16性格診断のようなGopherタイプ診断がありました。Goの開発での取り組み方などを回答していくと、自分がどのような特徴をもつGopherタイプかを診断してくれます。私は「鉄壁の守護者、型安全性とメモリ管理を極めた堅牢なシステムの番人。低レイヤから美しく設計された巨大システムを構築します。」でした。 Xの #sendaigo ハッシュタグで他の方の結果も見られるので、眺めてみると面白いです。
私のGopherタイプは「鉄壁の守護者」でした!
— mimu (@r4mimu) 2026年2月21日
型安全性とメモリ管理を極めた堅牢なシステムの番人。低レイヤから美しく設計された巨大システムを構築しま...#sendaigo #SODADev #GopherType https://t.co/tYVB5e8di5
UPSIDERもブースを出展し、多くの参加者の方と交流することができました。「これまでのGoの挑戦やこれから挑戦したいこと」というテーマでアンケートを実施したところ、「TinyGoに入門したい」「Goを書いてみたい」といった回答に加え、「自作○○を作りたい」「OSSを作りたい・コントリビュートしたい」「卒論・修論のアルゴリズムをGoで実装した」など、多彩な回答が寄せられました。Web開発の文脈だけでなく、研究や個人の探求心からGoを選んでいる方も多く、Goコミュニティの裾野の広さを改めて実感しました。
ちなみに、UPSIDERブースで配布したアップルサイダーはほどよくウケていました(笑)
まとめ
Go Conference mini 2026 in Sendai は、Go 1.26の最新機能からAI時代のコード品質まで幅広いテーマが扱われた充実のカンファレンスでした。仙台での開催ということもあり、普段のカンファレンスとはまた違った雰囲気のなかで多くの方と交流でき、刺激を受けました。Go Conference 2026 の開催も発表されたので、プロポーザルの採択を目指して引き続きGoを学んでいきたいと思います。 運営の皆さま、登壇者の皆さま、ありがとうございました。
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