UPSIDER Tech Blog

登壇レポート:生成AIと協業するプロダクト開発

はじめに

先日、UPSIDER AI経理チームの大聖寺谷(@tamanugi)が『生成AIと協業するプロダクト開発』というテーマで「生成AI活用LT会inふくい」にLT登壇しました。AIをプロダクトに組み込む際、技術的な実装よりもむしろ「人間との協働をどう設計するか」が重要だという話です。本記事では、発表の内容をお届けします。

fcci.seminarone.com

UPSIDER AI経理とは

UPSIDER AI経理は、領収書や請求書を送るだけで経理業務が完了するサービスです。社内オペレーター(Coworker)とAIが共同で経理業務に取り組むことで、圧倒的な生産性を実現しています。

主なサービス内容は大きく2つあります。

  • 記帳代行 — 会計ソフト上での仕訳登録
  • 振り込み代行 — 請求書に基づく振り込みデータの作成・納品

ai-keiri.up-sider.com

振り込み代行の業務フロー

具体的な業務フローとして、振り込み代行を例に紹介しました。

  1. ユーザーがSlack上で「AI振り込み君」に振り込み依頼を送信
  2. AIのOCR機能で請求書の内容を読み取り、シートに自動反映
  3. AI振り込み君がCoworkerに確認依頼を自動送信
  4. Coworkerが内容を確認・修正し、最終的にユーザーに確認
  5. 承認後、振り込み予定日前に振り込みデータを作成・納品

このフローを数百社のお客様に対して提供しています。AIが一次処理を行い、人間が確認・修正するという協業の形が、サービスの根幹にあります。

Coworking Platform — AIと人間の協働基盤

上記のような業務フローを支えるために、私たちは「Coworking Platform」という独自のタスク管理ツールを内製しています。

カンバン形式のタスク管理で、各企業のタスクや業務フローを可視化。AIがタスクを自動作成し、人間やAIに自動でアサインする機能を備えています。

なぜ内製したのか

よくある質問として「既存のプロジェクト管理ツールではダメなのか」と聞かれます。

結論から言うと、AIと人間の協働という私たちの独自テーマに対応するには、既存製品の制約やベンダーロックインを避けて自社開発する必要がありました。AIがタスクを作成し、作業手順を提示し、成果物をチェックする——こうした機能を柔軟にカスタマイズできることが、内製化の最大の理由です。

AIの実装は簡単になった。難しいのはオペレーション設計

発表の中で最も強調したポイントがここです。

LLMのSDKや構造化出力機能の進化、マルチモーダル対応の進歩により、AIをプロダクトに実装すること自体は以前より格段に容易になりました。OCRも、以前は専用ライブラリが必要でしたが、今ではLLMに画像を投げるだけで構造化データが返ってきます。

しかし、本当に難しいのは 業務オペレーションへの落とし込み です。具体的には、AIと人間の間での作業と責任の受け渡しをどう設計するか。ここに最も時間と工夫をかけています。

マニュアルの力 — 誰でも業務遂行できる環境へ

AIと人間の協働を支えるもう一つの柱が、マニュアルの充実です。

経理知識のない人でも業務遂行できる環境を整備することで、タスクの振り分けにおけるスキル差の問題を解消しています。さらに今後は、AIがオペレーターに作業手順を提示し、成果物をチェックする機能を拡張予定です。マニュアルを読む負担すらAIが軽減する世界を目指しています。

技術スタックについて

タスク管理ツールは昨年から従来の開発手法で構築してきましたが、現在は機能拡張においてAIコーディング(Vibeコーディング)の活用割合が増加しています。

Slackボットを開発し、そこから生成AIのSDKを使ってOCR処理を実行するアーキテクチャを採用しています。

Q&A

Q. タスクの振り分けでスキル差にはどう対応していますか?

マニュアルの充実により、誰でも対応可能な環境を整備しています。加えて、AIが作業手順を含めたタスクを作成することで、マニュアル読解の負担自体も軽減しています。

Q. なぜ既存ツールを使わず内製したのですか?

AIと人間の協働という独自テーマに対応するためです。既存製品の制約やロックインを避け、自分たちの業務に最適化したツールを作る判断をしました。

Q. AIの統合で技術的なポイントは?

SlackボットからAI SDKを呼び出してOCR処理を実行しています。LLMのマルチモーダル対応の進化により、以前と比べて実装のハードルは大きく下がりました。

おわりに

「AIを使ったプロダクト開発」というと、どうしても技術的な実装に目が行きがちです。しかし私たちの経験では、AIの実装そのものよりも、AIと人間がどう協働するかの設計にこそ本質的な難しさがあります。

AI経理チームでは、この「AIと人間の協業」というテーマに一緒に取り組んでくれるメンバーを募集しています。興味のある方は、ぜひお気軽にお声がけください。

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