
こんにちは、株式会社UPSIDERでQAエンジニアをしているkitazawaです。
これは、UPSIDER Tech アドベントカレンダー 2025の5日目の記事です。
UPSIDERのアドベントカレンダー2025 では、Tech・Corporate・Bizの3つに分かれて、それぞれのチームメンバーが日替わりでさまざまな内容をお届けします。
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UPSIDER Tech Advent Calendar 2025 - Adventar
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今回は、日々のプロダクト検証の中で特に大切だと感じている「見やすさ(可読性・視認性・判読性)」 についてまとめました。
「見やすさ」はUIだけの話ではなく、操作の流れや迷わなさといったUXにも深く関わる概念です。この記事では、UI/UXを厳密に切り分けるというより、“ユーザーが迷わず理解できるか”という体験に直結する部分にフォーカスしています。
そしてQAは、デザイナーが設計した意図が、実際の画面でも初見のユーザーに正しく伝わっているかを、第三者視点で確認する役割を担っています。
UI、テストケース、文言、画面構成、アクセシビリティなど──プロダクトはあらゆる場面で「見え方」が使いやすさに影響します。本稿では、QAとして意識している「見やすさ」を多角的に紹介します。
■ なぜ今、「見やすさ」なのか
QAとして日々プロダクトを見ていると、仕様も実装も正しいのに なんか分かりづらい… と感じる瞬間 に出会うことがよくあります。 そしてその 分かりづらさ は、ユーザー体験だけでなく
- 認識のズレ
- 操作ミス
- 調査工数の増加
- 不具合の温床
につながっていきます。 「見やすさ」はデザインだけの領分ではなく、プロダクト全体の品質(Quality)を底支えする重要な機能要件だと実感する場面が本当に多いのです。 だからこそ、QAの視点からこの「見やすさ」を言語化し、整理してみようと思います。
1. 「見やすいUI」とは何か?
デザイナーは、ユーザーに最高の体験を届けるために、色彩・レイアウト・情報設計などを緻密に計算して「見やすいUI」を作り上げています。 一方でQAは、「本当にその意図通りにユーザーに伝わるか?」「予備知識のない状態で触っても迷わないか?」 という、より客観的かつ批判的な視点で「見やすさ」を検証します。 作る側の視点では気づきにくい「無意識の前提知識」によるバイアスを、第三者視点で取り除くのがQAの役割です。
- 直感的に操作できること(次に何をすればいいか迷わない)
ボタンが何を意味しているかすぐ分かるか、次に何をすれば良いかが自然と理解できるか。
- 全体で一貫性があること(同じ機能は同じ振る舞いに)
同じ機能なのに画面ごとに呼び方が違う・配置が違う、という状態は混乱を生みます。
- 操作に対する反応が分かりやすいこと(フィードバックの明確さ)
押したかどうか分からないボタンや、抽象的すぎるエラーメッセージは不安を招きます。
- 視線の流れが自然で、重要情報が見つけやすいこと
何が重要で、どこに目を向ければいいかが一瞬で判断できること。
QAはこれらの観点から、ユーザーがどこで迷いそうかを細かく洗い出し、改善につながる指摘を行います。
例えば、ログイン画面を想像してみてください。
パターンA(使いやすい例)
- メールアドレス欄とパスワード欄が自然な順で並んでいる
- 入力が完了すると、ログインボタンの色が変わり「押せる状態」が一目で分かる
- ボタンを押した後はローディングの表示が出て、「処理中」であることが明確
- エラーメッセージは具体的で、次に何をすればいいかが分かる
パターンB(使いづらい例)
- ボタンの位置が右上など、視線の流れに沿っていない
- ボタンを押しても反応が分かりづらく、処理中か判断しにくい
- エラーメッセージが抽象的で、解決方法が見えない
- 入力欄やボタンのデザインが画面ごとに微妙に違い、統一感がない
同じ「ログイン」という行為でも、
Aは迷わず進めるのに対し、Bはユーザーが「これ合ってる?」と不安になりがちです。
あなたなら、どちらのログイン画面を使いたいでしょうか?
QAの考える「見やすいUI」とは、迷いの少なさ が操作体験全体に行き渡っている状態だと感じています。
2. 「見やすいテストケース」が開発を加速させる
視点は変わりますが、QAが作成する「テストケース」もまた、開発チームにとって重要なUIの一つです。
だからこそ、整理されていて読みやすいテストケースは、開発スピードや調査効率に直結します。
- 目的と前提条件が明確であること
- 具体的な手順と期待結果が書かれていること
- 簡潔で無駄がないこと
- フォーマットが統一されていること
見やすいテストケースはテスト実行者だけでなく、開発者にとっても大きな助けになります。
不具合調査の際に「再現手順は?」「本来どうあるべき?」を一瞬で理解できることで、修正までの時間が大幅に縮まります。
例えば、テストケースを「道案内」に例えると分かりやすいです。
見やすいテストケースは、目的地までのルートがハッキリ示されている地図のようなものです。
- まずどこに向かうのか(目的)
- どの道を通るのか(前提条件や手順)
- 到着したらどうなっているべきか(期待結果)
これらが一目で整理されているルートなら、誰が見ても迷わず辿り着けます。
一方で、情報がぎゅっと詰まりすぎていたり、説明が長文でまとまっていなかったりすると、「結局どこに向かうんだっけ?」と迷ってしまいます。実施者の理解にも時間がかかり、理解にも時間がかかってしまいます。
だからこそ、私自身は、「このテストは何を検証したいのか」が一目でつかめることを大事にしています。
余計な情報が入りすぎていると、それだけで理解に時間がかかり、実施者の負担が増えてしまいます。
シンプルで迷いのないテストケースは、それだけで実行や不具合調査のスピードを大きく引き上げてくれると感じています。
私自身が実践している小さな工夫として、テスト観点の先頭にカテゴリを表す絵文字を入れることがあります。
- 会社設定の観点なら 「🏢」
- 通知系なら 「🔔」
- エラー系なら 「⚠️」
ほんの小さな工夫なんですが、パッと見て何の観点か分かるだけで、実施する側も、自分も迷いづらくなるので結構気に入っています。 こういう小さな視認性の積み重ねが、テストのやりやすさに効いてくるな〜と感じています。
3. 「見やすい文字」が伝える力
UIやテストケース、ドキュメントなど、文字情報はプロダクトを支える基盤です。
だからこそQAは、文字の読みやすさにも気を配ります。
- 適切なフォントとサイズか
- 背景とのコントラストが十分か
- 行間や字間が詰まりすぎていないか
- 専門用語が適切に扱われているか
見やすい文字やフォントは、綺麗さというより余計なストレスを生まないことが大切だと感じています。
わずかな読みやすさの差でも、ユーザーの理解スピードや開発者の判断のしやすさに確かな影響が出るからです。
⭐️ 番外編:見やすい文字とは少し違う 読みやすいコミュニケーション
ここまではUIやフォント、画面構成といった 視覚的な見やすさ の話を中心にしてきましたが、
実務の中では 文章そのものの構造や伝え方の見やすさ も、意外とプロダクト全体のスムーズさに影響します。
これは番外編として、少しだけ 文字そのものとは違う、
コミュニケーションの見やすさ(読みやすさ) について触れてみたいポイントです。
● 不具合報告でも「見やすさ」は効く話(自分の経験より)
以前の私は、起きたことを時系列順にダラダラと書いてしまい、「で、結局何が問題?」と聞かれてしまうことがありました。 ある時、エンジニアの方からフィードバックを受け、情報の構造(アーキテクチャ)を意識するようにしました。
それ以来、不具合報告は「結論 → 条件 → 再現手順」の順でまとめるようにしています。
この順番に変えてから、相手に伝わるスピードがぐっと上がりました。
UIやフォントの見やすさと同じで、
文章でも 最初の一目で要点がつかめること が大事だと感じています。
4. 「簡潔で分かりやすい画面」:一瞬で伝わるUIとは
UIの話に戻りますが、飲食店でタブレット注文をする時、「迷わず注文できるお店」と「どこを押せばいいか分からないお店」の差を感じたことはありませんか?
- カテゴリが直感的に探せる
- 「注文する」ボタンが指の届きやすい位置にある
- 選択した商品がカートに入ったことがアニメーションで分かる
こうした要素が欠けていると、ユーザーは「え、これで注文できた?」「探すのが面倒だな」とストレスを感じてしまいます。プライベートで触っている時でも「あ、これ自分がQAなら改善要望出すな……」と思ってしまうのは、完全に職業病です(笑)
特に、アカウント作成や初回登録のような「オンボーディング」画面では、この 分かりやすさ がそのまま離脱率に直結します。
ここで迷ってしまうと、ユーザーはサービスの価値を知る前に離脱してしまいます。だからこそ QA は、「仕様通りに動くか」だけではなく、「初めて使う人が迷わずゴールまで辿りつけるか」という視点を大事にしています。
初見のユーザーがスムーズに進めるかどうかを守るのも、QAの大切な役割だと感じています。
まとめ
「見やすさ」は見た目の綺麗さだけでなく、UIやUXを横断して、ユーザーが迷わず進める体験そのものを支える基盤です。
QAは、
- 初めてのユーザーにも意図が伝わるか
- 仕様と体験にズレがないか
- 細かな違和感が品質リスクにならないか
という視点から、プロダクト全体の“迷わなさ”を守っています。
もし画面に見慣れてきたと感じたら、一度ユーザー視点に戻って触ってみてください。
その小さな気づきが、プロダクトを大きく前に進めてくれるはずです。
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