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pmconf at 大阪に参加してきました!

はじめに

こんにちは!UPSIDER でPdMをしているNagaiです。

先日(2025/11/21)、「pmconf 大阪 2025 未来に挑め!」に参加してきました! このイベントは、プロダクトマネジメント(PdM)の実践知を結集し、事業責任者としての視座や、変化する時代における戦略的な意思決定について深く探求する場でした。 2025.pmconf.jp

今回の参加は、当社のVPoP森が「PdMから事業責任者へ」というセッションに登壇するという背景もありましたが、自分自身、UPSIDERのプロダクトにおける持続可能な成長のための学びを得る良い機会だと思い参加をしてきました。

この参加レポートでは、多くのセッションの中でも特に印象深かった「プロダクト負債との向き合い方」「情緒的価値の設計」「戦略的意思決定の技術」の三点に焦点を当てていきます。

1. プロダクト負債は「必ず生まれるもの」:戦略的な撤退とスリム化の技術

プロダクトにおいては、よく言われる技術的負債に加えて「プロダクト負債」といったPdMが解消すべき負債が常に発生してしまうことにどう向き合っていくか。

Sansan株式会社 中村さんのセッション「プロダクト負債と歩む:持続可能なサービスを育てるための挑戦」を通じて、負債を「技術的負債」だけでなく「プロダクト負債」としてPdMが主体的に解消していく必要性についてを考えさせられました。

負債発生の要因とスタンス

負債の要因として、市場や顧客環境の変化に加え、短期的な成果を優先した意思決定(特定の大口顧客のN1意見を優先した機能開発など)が挙げられました。

私が得た重要な学びは、「プロダクト負債は必ず生まれるもの」という前提に立つことです。ひたすら機能を積み上げるのではなく、負債と認識し、戦略的に対処する姿勢こそが持続可能な成長に繋がります。

負債解消のための具体的なアクション

  1. プロダクトビジョンによる指針の確立:
    • 負債の最大の敵は内部の反発(「機能が多い方が良い」)です。セールスやオペレーションチームといった社内ステークホルダーに対し、指針となるプロダクトビジョンを用意し、機能・タスクの取捨選択を共通認識とすることが不可欠です。
  2. データに基づいたスリム化と撤退ライン:
    • 負債の解消にはサンクコストが伴います。社内ツールで収集している作業負荷データや利用頻度データを活用し、非効率な処理や実態と乖離したドキュメントを特定。データの元で「何を捨てるか」を判断します。
  3. オペレーション負債の診断と解消:
    • 負債を診断するために、現場のオペレーションドキュメントをベースに、顧客の業務を代行し文脈に成り切って体験(ドッグフーディング)します。ドキュメントの記載と実行にズレがないかを確認し、陳腐化したドキュメント負債を解消することが、オペレーション効率の向上に直結します。

今後は、これらの知見を活かした常にスリム化を意識したプロダクトの構造設計を追求する必要性があると念頭に置くことについて考えさせられました。

2. 「なんか好き」を設計する:情緒的価値をPdMの新たな武器に

プロダクトにおいて、機能提供といった機能的価値の上に、「安心感」「信頼感」という情緒的価値を乗せることで、初めて本質的な競争優位性を確立します。

「なんか好き」を設計する — 情緒的価値をPMの武器にする3つのポイント(株式会社スマートバンク 稲垣さん)のセッションは、この価値を感覚ではなく計算で生み出す方法論を提示してくださいました。

情緒的価値の特性と設計の視点

情緒的価値とは、「心を変化させていく取り組み」であり、機能的価値と組み合わせることで生まれます。この価値は絶対的な価値として長期的に残りやすく、「競合に真似されにくい」という点が最大の強みです。

  • 個のコンテキストにフォーカス:
    • 年齢や居住地など一括りでターゲットを考えるのではなく、個にフォーカスしたコンテキストを意識する必要がある。例えば、毎日〇〇時にこの駅を利用しているときにアプリを使用するなど。情緒的価値はそのコンテキストに寄り添う必要があります。
  • 情緒的価値はセンスではない:
    • 情緒的な価値はセンスを持ってしてもたらせるものではなく、その裏側で計算したロジックを持ってして向き合うべきもの。常に、そもそも情緒的な価値とは何かに対する思考を持つことが大切である。

私自身の気づきとして、ユーザーに「気持ちをわかってくれていると感じさせるか」、そして内部の実行者にも「何を自信につけさせるか」といった、内面に作用する設計こそが情緒的価値の本質だと捉えられました。

愛着を生む「なんか好き」の瞬間を意図的にデザインする視点をプロダクトに組み込んでいく必要と、そこにこそ価値があるのだという学びを活かしていきたいです。

3. 意思決定の技術:知識の非対称性と感情の引力を超える

タイトなスケジュールで高精度が求められるビジネス業務において、リソース配分、ツール改修、ドキュメント更新の優先順位といった複雑な意思決定を正確に行うことが、PdMには不可欠です。

複数のセッション(「知識の非対称性を越える ― PdMがエキスパートと築く、信頼と対話の『意思決定の技術』」株式会社enechain 坂田さん、「その意思決定、まだ続けるんですか?~痛みを超えて未来を作る、AI時代の撤退とピボットの技術~」株式会社LayerX 加藤さんなど)から、意思決定を成功に導くための実践的な技術を学びました。

知識の非対称性への対処(エキスパートと実行者間のノウハウ共有)

専門性の高い分野では、エキスパートと現場実行者の間で知識ギャップが議論の停滞を招きます。目指すべきゴールは、「動き出せる方向性を作り都度修正できる状態」です。

  • KPIを変化させていくことで、ドメイン知識が深い場所に対してPdMとして入り込んでいく必要性がある。以下の順番で変化をさせてき最終的には知識の非対称性を解消していくというもの。
    • ドメインエキスパートとの会話時間
    • 現状のドメインについて整理できた数
    • 整理した成果物に対してズレを発見する

経理というドメインに関わる中で、自らもこういった経験はありましたが言語化して向き合うということはなかなかこのタイミングではやりたくてできない人が多いかと思います。

キャッチアップについてをロードマップ化する思考は非常に参考になりました。

感情的な引力を乗り越えるピボットと撤退(目の前の業務優先の排除)

意思決定を遅らせる要因には、「作るのが楽しい」「自分のアイデアの正しさを立証したい」「メンバーに報いたい」といった感情的な引力があります。

  • 感情的な引力(時間制約): 目の前の緊急度の高い業務を優先し、負債解消(ツール改修やドキュメント更新)を後回しにしてしまう傾向がこの引力にあたります。
  • プレモーテルで負債解消を優先: 「ツールの改修を怠り、作業負荷が爆発したら?」と仮定し、事前に失敗要因を書き出すことで、負債解消タスクの優先度を上げる判断材料とします。
  • 本質への回帰: How(目の前のタスク処理)ではなくWhy(プロダクトのビジョン)にこだわり、顧客のお金が払われるかという、アイデアの根源的な正しさを重視する姿勢が重要です。

私自身、直感や違和感を感情止まりで終わらるのではなく言語化して判断材料に組み込むPdMとしての役割を強化していく必要性を学びました。

まとめ:未来に挑むためのPdMの視座

今回のpmconf 大阪は、機能実装の実行力に留まらない、事業全体とプロダクトの未来を設計するPdMの視座を再確認する機会となりました。

PdMとして推進すべきプロダクト戦略や思考の柱として以下のようなことを考えていく必要がありそうです。

1. 持続可能性の確保: プロダクト負債を戦略的に解消し、常にスリムで効率的な開発・運用体制を維持する。 2. 競争優位性の確立: 顧客の「安心感」と組織の「エンゲージメント」という二層の情緒的価値を意図的に設計する。 3. 高速かつ高精度な意思決定: 知識の非対称性を乗り越え、感情的な引力を捨てた判断で、プロダクトの戦略的投資を実行していく。

総じて多くの学びを今回のpmconfで私自身得られることができました!

ここで得た知見や学びを活かしつつ、来年は自分が登壇者としてpmconfに参加できるようより一層研鑽に努めていきたいです!

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